「20~30歳の方歓迎」はNG!?求人広告に年齢を入れる時の注意点

求人広告を出す際に、意外と書いてしまいたくなる「●●歳の方歓迎」という表現。実は、基本的に「募集における年齢制限は禁止」されています。「年齢制限」を入れる時の注意点や例外、効果的な書き方などをまとめました。

年齢に関する求人広告のルール「雇用対策法」について

求人広告を行う場合、労働基準法・雇用機会均等法・雇用対策法などを守った表現をする必要があります。そのうちの雇用対策法で、平成19年10月から年齢制限の禁止を義務化しています。

  • 求人票は年齢不問としながらも、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定する行為は法の規定に反するものです。
  • 形式的に求人票を年齢不問とすれば良いということではなく、応募者を年齢で判断しないことが必要です。
  • 本人の希望と関係なく、一定年齢以上はパートタイムにするなど、応募者の年齢を理由に雇用形態、職種などの求人条件の変更を行うことはできません。(雇用形態、職種等の求人条件ごとに別の求人票とすることが必要です。この際、それぞれの求人票について、例外事由に該当する場合を除き、年齢制限を設けることはできません。)
  • 年齢にとらわれない、人物本位、能力本位の募集・採用をお願いいたします。

厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」より

基本的に求人広告で年齢制限は禁止

これまでも求人広告を出す際の法律の注意点を紹介してきました。

もしかしてブラック求人になっているかも!?広告掲載時の労働基準法の基本知識(時間・賃金)

2019.03.26

もしかして違法求人になっているかも!?求人広告に性別を入れる時の注意点

2019.04.04

今回、実は最もご質問をいただくことが多い「年齢」に関してまとめました。先ほど紹介した通り、雇用対策法により、基本的に年齢を制限した募集はできません。年齢によって、雇用形態や就業条件に差をつけるのもNGです。

ただし、募集案件によっては例外もあります。

年齢制限をしても良い6つの例外ケース

例外的に「●●歳未満の方を募集」「▲▲歳以上の方を募集」などの表現がOKなのは、以下の6つの場合の時のみです。

  1. 経験不問・新卒・期間の定めのない雇用形態で募集する場合
  2. 法令の規定により年齢制限がある場合
  3. 芸術・芸能の分野
  4. 特定の職種・特定の年齢層で技能・ノウハウの継承が必要な場合
  5. 定年年齢を上限とした期間の定めのない雇用契約を募集する場合
  6. 60歳以上の高年齢者を募集する場合

経験不問・新卒・期間の定めのない雇用形態で募集する場合

新卒の方を対象に、終身雇用の募集を行う際などが該当します。ただし「経験不問とすること」「新規学卒者以外の者にあっては、新規学卒者と同等の処遇であること」が条件となっております。

OK例:「35歳未満の方を募集」「40歳未満の方を募集(簿記2級以上)」

 必要な免許・資格を求めるのはOK
ただし、それらが実務経験なしで取得できるものであること

NG例:「35歳未満の方を募集(●●業務の経験のある方)」「20歳以上40歳未満の方を歓迎」「35歳未満の方を募集(契約期間6か月)」

 職務経験・下限・期間の定めはNG
職務経験を求めること・下限を定めること・期間の定めのある労働契約の募集は不可となっています

法令の規定により年齢制限がある場合

労働基準法など法令の規定により年齢制限がある場合が該当します。例えば、よくあるのが「警備員の募集」です。

OK例:「(警備員の募集で)18歳以上の方を募集」

NG例:「(警備員の募集で)15歳以上の方を募集」

 警備業法による年齢制限
警備員は警備業法により18歳未満の就業などが禁止されています

芸術・芸能の分野

芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合が該当します。

OK例:「演劇の子役のため、10歳以下の方を募集」

NG例:「イベントコンパニオンとして、30歳以下の方を募集」

 芸術・芸能の分野と見なされるのは限定的
上記のイベントコンパニオンの募集の場合、単に特定の年齢層を対象とした商品やサービスの提供などが目的であり、芸術・芸能の分野に該当しないとみなされる可能性が高いです。

特定の職種・特定の年齢層で技能・ノウハウの継承が必要な場合

「特定の職種(技術・ノウハウの継承が必要となる具体的な職種の名称を用いる)」で「特定の年齢層(30歳~49歳のうちの特定の5~10歳幅)」に限定して「同じ年齢幅の上下の層と比べて、期間の定めのない労働者数の1/2以下」の場合が該当します。

OK例:「●●社の電気通信技術者として30~39歳の方を募集」

注意点
●●社の電気通信技術者のうち「30~39歳」の人数が、「20~29歳」および「40~49歳」の人数が1/2以下であること

NG例:「●●社の電気通信技術者として25~34歳の方を募集」「●●社の電気通信技術者として35~49歳の方を募集」

注意点
「30歳から49歳の範囲に収まっていないもの」「年齢幅が5~10歳を超えているもの」は不可となります

定年年齢を上限とした期間の定めのない雇用契約を募集する場合

企業ごとに定められている定年年齢を超えない求職者を、期間の定めのない雇用契約で募集する場合が該当します。

OK例:(定年が60歳の会社)「60歳未満の方を募集」

NG例:(定年が65歳の会社)「60歳未満の方を募集」

NG例:(定年が60歳の会社)「40歳以上60歳未満の方を募集」

注意点
「上限年齢と定年年齢が一致しない場合」「下限年齢を設けた募集」は不可となります

60歳以上の高年齢者を募集する場合

OK例:60歳以上の方を募集

NG例:60歳以上70歳未満の方を募集

注意点
上限を定めることは不可となります

年齢制限をしたいときのおすすめ表現~NG例・OK例~

実際の例を紹介する表現

NG例:若者向けの洋服の販売スタッフ募集(30歳以下の方に限る)

なるべくお店のサービスや客層に合う方を採用したいという場合、上記のようなNG表現をしたくなってしまうかもしれません。そういった場合、以下のような具体的な業務や実際のスタッフの紹介をすることをおすすめします。

実際のスタッフの年代を紹介してみる
OK例:「レディスアパレルショップ(^^)販売スタッフ募集!10~20代の高校生・大学生が活躍中!」
商品着用など具体的な仕事内容を明記してみる
OK例:「10~20代の若者向けカジュアル服のお店で、商品を着用して販売を行う仕事です」

「歓迎」という表現はNGですが、「活躍中」は事実を挙げているだけなのでOKです。以前行った「求人広告で知りたい内容の調査」で「どんな年代の方が働いている職場が知りたい」という声が多く挙がりましたので、実際に募集したい年代の方が活躍されている場合はそういった表現をおすすめします。

【求人調査レポート】子どものいる女性が求人広告で知りたい情報

2019.01.18

年齢が必要とされる具体的な仕事内容や適性を紹介する

NG例:長距離10tトラックドライバー募集(大型免許所持・50歳以下の方)

筋力・持久力が必要なことが分かるように仕事内容を明記してみる
OK例:「長距離10tトラックドライバー募集(大型免許所持)。東京-大阪間の往復定期トラック便のため長時間運転。最大40kgの荷物の積み下ろしあり」

NG例:ビル定期清掃スタッフ募集(45歳以下の方に限る)

高所への適性が必要なことが分かるように仕事内容を明記してみる
OK例:「ビル定期清掃スタッフ募集。商業施設の定期清掃。高所作業車による高所払拭作業」

知識を押さえると、もっと求人広告の反響が上がるかもしれません

いまの時代、求職者がこれらの情報を手に入れることは簡単です。採用側が間違った知識で露出してしまうと違法求人として注意されてしまう場合もあります。求人広告の反響を上げることにもつながりますので、ぜひ、これら基本的な法律の知識を、以下の求人広告の打ち出し方のポイントと合わせてご参考にされてみてください。

【求人調査レポート】子どものいる女性が求人広告で知りたい情報

2019.01.18

もしかしてブラック求人になっているかも!?広告掲載時の労働基準法の基本知識(時間・賃金)

2019.03.26

もしかして違法求人になっているかも!?求人広告に性別を入れる時の注意点

2019.04.04