人の想像力をかき立てるストーリーが口コミを生む

SNSの普及でますます「口コミ」の重要性は高まり、「バズる」という言葉が普段から使われるようになってきました。今回は「どうして口コミが起こるのか」「商売繫盛にどのように使えるか」、そのヒントをまとめてみました。

つい喋ってしまうのは、どんな情報か?

まずは、今回の記事のきっかけとなった、口コミに関する興味深い経験談を紹介します。

その方はフィギュアスケート好きの奥様と、一緒にグランプリファイナルを見ていました。「技術的なことはよくわからないので、トリプルアクセルでもビールマンスピンでも、とにかくしなやかでスピード感さえあれば何でもいい」と思って眺めていたそうです。

番組を見ていたときに、CM前にかかる曲を聞いた時、その方は他の番組で小耳に挟んでいたこんなことを奥様に言ったそうです。

「この曲はコンサートで歌っていたのを、ファンの熱烈な要望でシングルカットしたらしい。もともと予定がなかったのに良い歌だという声が多かった」

「そうなんだ」と奥様が相づちを打ったのを聞いた瞬間、その方は「待てよ、これは口コミによる宣伝効果だ。まんまと宣伝を自分がさせられている」と我に帰ったそうです。

普通「口コミで広がる」と聞くと、利用者側から自然な形で噂が広がることをイメージします。しかし今回、その方が家の中で広めた「~らしいよ」という口コミは、テレビというメディアからの情報でした。

人の想像力をかき立てるちょっとしたストーリーが口コミを生む

この仕掛けは、レコード会社のプロモーション担当が考えた企画の可能性も考えられます。「ファンからの要望で予定外のシングルカット」という少し意外で、つい歌を聴きたくなる、ひいては購入したくなるストーリー。それを本人たちに話すように指示を出した可能性です。

このように「さりげなくメディアで発信して、それを受け手が勝手にキャッチする仕掛け」はプロモーションとして効果的です。

今回の例にとどまらず、家庭内ではいろいろな言葉が交わされます。ママ友同士のコミュニケーションも活発です。

相手に口コミしたくなるネタを、広告やHP、SNSに組み込むのはひとつのテクニックとして考えられます。

口コミをしたくなる情報を入れてみませんか?

このテクニックを実際のお店が活用するなら、どんなやり方でできるか考えてみました。

たとえば、中華料理屋さんが「ラズベリー入り杏仁豆腐」という新メニューを開発したとします。しかし、それをただ「新登場」と入れるだけではあまり魅力的ではありません。

「たまたま遊びに来ていたパティシエの友人と遊びで作ったら、おいしかったので店長がメニュー化した」

そう紹介した方がつい話したくなるかもしれません。「美味しかった」以外に「面白い」という感想が生まれるので、SNSなどでも話題にしてもらいやすくなる可能性があります。

このように、ただサービスを紹介するのではなく、背景に人の想像力をかき立てるストーリーを少し加えるのがポイントだと考えられます。そして、それが家族もしくは友達同士の会話の中で、つい口にしてしまうようになれば、お店としてはしめたものです。

口に出した側も記憶に残りやすいですから「記憶に残る」という点では、他のお店に勝つことができます。人は近所の話題には飢えていますので、その小ネタを組み込んであげるのは、効果的なプロモーションだと考えられます。

このやり方はまだまだ、色々な工夫が加えられると思いますので、もしこの記事をご覧になった方で、こんな口コミのネタ提供に成功した事例があれば教えていただけますと幸いです。

ちょっとしたストーリーを加えることで、自ら口コミを生んでいく工夫。ぜひ、あしたの商売繁盛にご活用ください。