紙不足って本当?チラシが作れなくなるかもしれない現状を取材してきました

いまチラシや書籍の印刷用紙の不足が深刻化しています。そのため、注文を受けられない印刷会社が増えてきており、最大手のネット印刷会社でも注文制限が行われています。

「紙不足はなぜ起こっているのか」「どんな影響があるのか」「いつまで続きそうか」など、福島県と埼玉県に自社印刷工場を構える「北斗印刷株式会社 東京支店」に話を伺ってきました。

紙不足は本当か?製紙業界と印刷業界の現状とは

2019年1月から、紙不足が表面化

紙不足のきっかけですが、2018年11月に、王子製紙など大手製紙会社6社が「原燃料価格や物流経費の高騰を理由に2019年出荷分から用紙の値上げを実施する」ことを発表したことがきっかけとされています。

この発表に対して、印刷業界は「用紙値上げは印刷需要の縮小につながりかねない」と反対し、交渉を続けてきましたが、結局「印刷用紙の価格は+20%以上、情報用紙の価格+10%以上」と原価の値上げが行われました。

また、そうした交渉が長引いたことや災害による生産減少が重なり、在庫不足が進んでいます。

そのため、現在在庫がある用紙の確認を重ねる状況とのことです。特に新規発注分の印刷については、値上げや制限がかかっている現状があるそうです。

どうして紙不足が起きているのか?その原因とは

紙不足の根本的な原因とされているのは「現状の用紙の供給価格では、製紙会社の印刷用紙事業が成り立たないこと」になっていることです。最大手の王子製紙でも、印刷情報メディア部門で、2018年度50億円の営業赤字を予想しています。そして、その赤字の原因は「コスト増」と「印刷需要の減少」にあると言われています。

課題1.燃料費高騰による生産・輸入コストが増加

燃料費高騰により、原材料を海外から輸入するための輸入費、そして紙を生産するための燃料費にかかるコストがどんどん高まっているそうです。また、生産した紙を各拠点に運送するためのコストも以前より上がっています。

課題2.印刷需要の減少

デジタル化が進み、印刷物の需要自体が減少傾向にあります。例えば、電車の中吊りも、どんどん紙からデジタルサイネージと言われる電子看板に変わっています。

このように、原価が上がっているにも関わらず、供給量が減少しているようです。そのため製紙会社が、現状でのビジネスモデルを維持できなくなったというのが、現在の紙不足の原因とされています。

いつまで続く?紙不足による企業への影響

現在、小ロットのものや既存の付き合いがある会社に関しては、各会社が抱えている在庫分や購入可能な用紙で対応できることができていると言われていますが、これからの新たな注文に関しては「代替紙での製造」もしくは「納期の調整」が必要となるシーンが多くなるそうです。

そして、6月まで用紙不足が続くと予想されています。

新元号が発表されたことによる案件増加により、さらなる用紙確保が難しくなる状況が2019年6月まで続くと言われています。

ただし今後、製紙会社の供給体制や、市場価格との折り合いがつけば、以前のような安定供給は可能とされています。

紙を生産するのに、約1~2か月かかるそうなので、需要や業界間の条件が折り合えば、安定供給の見通しがつき、市場に紙が出回るのが2019年7月あたりからではないかと囁かれているそうです。

まとめ

  • 2019年1月から印刷用紙の原価増による紙の取り合いが本格化し、紙不足が発生
  • 紙不足の原因は「コスト増」と「印刷需要の減少」による製紙会社の印刷事業の赤字
  • 2019年のゴールデンウイーク明けまで紙不足が続く。ただし、それ以降も値上げは避けられない様子

「明日からチラシが作れない!」ということは現状なさそうですが、チラシの値上げや納品遅れはしばらく続きそうです。

こうした状況のなか、チラシも漫然と刷る・配るのではなく、より効果的なチラシのまき方や作り方を考えることが重要だと思われます。

こちらのチラシの効果を上げる記事と合わせて、ぜひあしたの商売繁盛にご活用ください。

【後編】もう迷わない!チラシの紙の選び方。印刷のプロに実際に紙を選んでみてもらいました

2019.05.20

そのチラシ、実はもっと反響出るかも!?意外と知られていないレスポンスデバイスの活用法

2019.03.26

「物語」を使った広告の効果と作り方

2019.02.04